溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
おまけに同性なんだけど彼女からフローラル系のいい匂いがしてきて、ドキッ。

結婚する方向で話がまとまっていないだろうか?と疑問を抱きながらも、頭が麻痺してきてそのまま「はい」と返事をしそうになった。

だが、見るに見かねた遥が、ベリッと可憐さんを私からはがす。

「おい、話が脱線してるぞ。こいつは放っておいていい」

遥の邪険な扱いに怒った可憐さんが噛み付いた。

「ちょっと、姉なんだからもっと丁重に扱いなさい」

可憐さんを無視して、遥は隣にいる男の子に声をかける。

「次、翔太、自己紹介」

社員なのに、下の名前で呼ぶなんてすごく親しいのかな?

「僕は成瀬翔太。遥さんと可憐さんの従弟です。よろしくお願いします」

ニコッと微笑むその姿は、まるで天使のような美少年。

可憐さんじゃないけど、頭をヨシヨシと撫でたくなる。
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