溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「楓の周りはいつもイケメンだらけじゃない。前の彼氏も成瀬先輩達には及ばないけどイケメンで……あっ⁉︎」

美桜は気まずそうに口元を押さえる。

彼女は佐倉先輩が浮気して私達が別れたことを知っている。

「いいよ、気にしなくて。もう大丈夫だから」

ニコリと微笑むと、彼女はホッとした表情になった。

「ごめん、つい。でも、本当に大丈夫そうだね。これも成瀬先輩のお陰かな」

美桜の言葉に渋々頷く。

「……まあ、そういうことになるね」

最近、心配事が減っていい睡眠が取れている。

しかも、遥の前でよく寝てしまう。

兄と同じ年ということもあるし、安心してしまうのかも。

佐倉先輩の前では絶対に寝なかった。

迷惑かけちゃいけないと思ってずっと緊張していたんだと思う。

男の人と付き合うのも初めてで、距離感が全然わからなかったし。
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