溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
ガツーンとハンマーで頭を殴られたような衝撃を受けた。

「私なら好きな人に抱かれたいって思う。逆に抱かれなかったら、不安になると思うんだけど」

「……そういうもの?」

美桜の言葉に違和感を覚えた。

だって、佐倉先輩と付き合ってた時は、そんなこと一切思わなかった。

「うん。言葉で気持ちを伝えるのも大事だけどさ、身体を重ねて温もりと共に伝わるものもあるんだよ」

美桜は私の目を見て微笑む。

いい恋愛をしている彼女のセリフには説得力がある。

そう言われてみれば、遥に抱かれた時、すごく大事にしてくれた。

あの時、勢いで抱いてくれとは言ったけど、不安でいっぱいだった。

でも、遥は優しくしてくれたんだよね。
「遥だから安心……って本能的に思ったかのもしれない」

それって私が遥を選んだってこと?

頰に両手を当て考える。

待って、あの女ったらしの遥だよ。
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