溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
その後を追いかけ、一緒にエレベーターに乗った。

奥の壁に寄りかかると、操作ボタンの前にいた彼女はクルリと向きを変えて俺を見据える。

「私は女に見えないんじゃなかった?」

俺にキスされたことをまだ不審に思っているのか、楓は質問を変えて追及してきた。

「言ったろ?飢えてるって」

少しも悪びれずに返せば、ハーッと呆れ顔で小言を言う。

「女に飢えてるってことね。だったら、よそで相手を探しなさいよ。遥ならどんな相手もイチコロでしょう?」

「そうじゃない女もいるけどな」

ボソッと呟くと、彼女はよく聞こえなかったのか首を傾げた。

「は?何?」

「何でもない。こっちの話。お前の言うイチコロの相手にはもう食指が動かないんだよ」

そういう女は一緒にいてもつまらないし、つきまとってくる。

「じゃあ、簡単に落ちない女を相手にしたら?」

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