溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
大きく叫び、彼女はビクッと身体を震わせる。

「作るか?それとも、俺に食べられたいか?」

悪魔のように選択を迫れば、彼女は激しく狼狽えながら声を上げた。

「つ、作ります。作らせて頂きます。ご主人様!」

「素直でよろしい」

フッと微笑すると、ビクビクしている楓をそのままにして自分の寝室に向かう。

それから軽くシャワーを浴びて、キッチンに向かえば、彼女が食事の準備をしていた。

魚の切り身を薄く包丁で切っている楓に背後から近づいて話しかける。

「それ、鯛?」

「ぎゃあ!」

楓は相当驚いたのか、奇声を発して肩をすくませた。

「遥、驚かせないでよ!……って、なんで裸〜!」

彼女は俺の姿を見て大袈裟に騒ぐ。

「ちゃんと下はズボン履いてる。裸じゃない」

しかも、一度俺と寝ておいて、そんなに驚くか?


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