溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「さあ、どこかな?」

ニヤリとしながら答えると、彼女は少しむくれる。

「もう、いつもそうやって誤魔化す」

「知らない方が楽しみが増えるんだよ。ところでお前って英語話せたっけ?」

俺の質問に楓は怪訝そうな顔をした。

「……日常会話程度なら大丈夫だけど。何か商談?」

「商談の延長ってところかな」

曖昧な答えを返せば、彼女はさらに不機嫌になった。

「何それ?意味わからない」

そんな感じで彼女とやり取りをしていたら、銀座の有名ブランド店の前で車が停車した。

「さあ、着いた」

「え?この店?サイバーセキュリティのソフトでも売り込むの?」

どこかの会社に行くと思っていたのか、彼女は意外そうに目を見開く。

「いや。入ればわかるさ」

フッと微笑して彼女と一緒に車を降りると、店の中に入り、女性店員に名前を告げた。

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