溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
楓がカーテンを開けて出てきて、その姿を見て思わず持っていたスマホを落としそうになる。

ドレスが肌の色と同色で、ヌード?と一瞬自分の目を疑った。

楓もそう思っているのか、恥ずかしそうに胸元を隠す。

「なんかレース素材でスケスケ感が恥ずかしいんだけど」

ドレスを選んだのは姉貴だ。

……姉貴が着るなら構わないが、楓には着せたくない。

男の変な妄想を掻き立てる。

これじゃ外に連れ出せない。

「確かに。それはちょっと……な。次」

苦笑いしながらそう言うと、楓は早く着替えたかったのかすぐに引っ込んだ。

そして、次は無難な黒のドレスに着替えた彼女。

口元に手をやりながら、値踏みするように見る。

「……そんなにじっと見ないでよ」

楓は少し頰をピンクに染めて俯く。

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