溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
涙がポロポロ溢れてきて止まらない。

「遥なんて大っ嫌い!」

どうせ私はお子様ですよ。

女の魅力のかけらもない。

だから、彼氏にも裏切られた。

大声で叫びながらむせび泣く。

すると、遥にギュッと抱き締められた。

「泣くな。美人になれないぞ」

昔から私が泣くとそう言って彼は私を慰める。

そして、次に頭をポンポンと叩くのだが、今日は違った。

チュッと頭に何度かキスとすると、次は頰に口付け、そして最後に……その柔らかな唇は私のと重なった。

トクンと心臓が大きく跳ねる。

今、何が起こっているのだろう?

私……遥にキスされてる。

驚きで目を見開く私。

「……修也に顔向けできないな」

自嘲めいた笑みを浮かべると、遥は私の身体を押し倒した。

ボンとベッドの上で大きく身体が跳ねるが、彼もベッドに上がり、私の両手を掴んでシーツに縛りつける。
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