溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
もし、遥が撃たれたのが心臓だったら……?

目の前が真っ暗になりそうだ。

佐倉先輩に浮気された時よりも、リストラ言い渡された時よりも……ううん、そんな次元のショックじゃない。

遥がいなくなったら……どうしていいかわからない。

そんなの嫌だ!

それって……つまり……。

私……遥のことが好きなんだ。

意地悪って思う時もあるけど、なんだかんだ言っても優しくて、危険を顧みずに私を助けに来てくれて……。

だからこそ、絶対に失いたくない。

助かったのに、全然安心できなかった。

心臓は相変わらず早鐘を打っていて、自分でもどうしていいのかわからない。

高官との話が終わると、軍の人が私達をタクシーで遥のマンションまで送り届けてくれた。

玄関を入ると、やっと家に帰ったんだなって実感する。
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