溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「誰に抱かれるのか……ちゃんと覚えておけよ」

その目は欲望の色に染まっている。

ゾクリと身体が震えたが、恐怖は感じなかった。

初めて男に抱かれるという期待と緊張。

「楓」

甘い声で囁いて、彼は私の身体中にキスをする。

乱暴に抱かれるって思っていたのに、この夜、遥はこの上なく優しく私を愛したーー。



シャワーの音がする。

私は寮で一人暮らしなのに、なんで?

そんなことを思いながら目を開ければ、大きなベッドで寝ていてビックリ。

目をパチクリさせながら起き上がるが、自分は裸だと気づいて思わず布団で胸を押さえた。

瞬時に蘇る昨夜の記憶。

酔ってはいたが、記憶はしっかりある。

昨日……私は遥と身体を重ねた。

下腹部が痛いのがその証拠だ。
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