溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
それでも緊張が解けなくて、シャワーを浴びた後、リビングでクッションを抱えながらソファに座った。

時刻は午前零時を回っていた。

すごく疲れているのにベッドで寝れる気がしない。

さっきまで起こっていた出来事が何度も頭に浮かんで来て、遥が銃弾に撃たれて倒れる姿を想像してしまう。

怖い……。

そんな私を見るに見兼ねたのだろう。

遥がやって来て私にグラスを手渡した。

中にはブラウンの液体が入っている。

「眠れないんだろ?今夜は特別だ」

「ブランデー?」

私の質問に彼は「そうだ」と頷いて私の横に座る。

グラスをゴクゴクっと飲み干すと、ゲホゲホッとむせた。

「馬鹿、一気に飲むなよ」

遥が苦笑しながら私の手からグラスを奪ってテーブルに置くと、背中をゆっくりとさする。

カーッと一気に熱くなる身体。


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