溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
12、ずっとキスしたかった ー遥side
「……遥……お肉食べ過ぎ」

ん?

『お肉食べ過ぎ』?

楓の声でパッと目が覚めた。

俺の腕の中にいる彼女に目をやると、むにゃむにゃ寝言を言っている。

だが、笑っているし、悪夢ではなさそうだ。

「何の夢を見ているのやら」

クスッと笑いながら彼女の頭を撫でた。

ベッドサイドの時計に目を向ければ、午前十時を回っている。

明け方に寝たから五時間くらいは寝たのだろうか。

昨夜のアメリカ大使公邸襲撃事件もあり、今日の出社は午後にすると姉に電話で連絡してある。

楓に怪我はなかったが、精神的ショックが大きかったのか、帰りの車でもあまり話さず心配だったのだ。

『楓ちゃんが無事で良かったわ。ニュース見た時は冷やっとしたわよ。スケジュールは何とかするからしっかり休みなさい。あんた怪我人なんだから』
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