溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
ただただ楓を無事に救出することだけしか考えていなくて……。

トイレを見つけてそっと中に入れば、敵が彼女に気づいた様子で慌てて蹴り倒した。

もし、俺の到着が一分でも遅ければ、楓の命はなかったかもしれない。

それくらい緊迫した状況だった。

小さい頃に空手や柔道をやっていたこともあって、今回はそれが役に立った。

その後、親父のコネを使って米軍に救助を頼んだ。

米軍のヘリが救助に来た時に敵に左腕を撃たれたが、もしヘリの風圧で身体がふらついていなかったら胸を撃たれていたかもしれない。

運が良かったんだ。

それでも楓はかなり動揺していて、家に帰っても様子がおかしかった。

普通ならお風呂に入ればそのまま自分の寝室で休むのに、昨夜は気分が高ぶっていたのかリビングにいた彼女。
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