溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
楓にしか抱かない感情。

そう、代理はきかない。彼女だけが特別。

この腕に抱き締めて自分のものにしたい。

それは、彼女も同じだったようで。

『遥』

楓が俺の名を呼んで、その唇を俺の唇に重ねてくる。

その愛おしい唇を貪れば、彼女は『遥が欲しい』と吐息と共に囁いた。

『もうとっくにお前のもんだよ』と楓に伝えたのは、他の女には触れないという俺なりの宣言。

欲しいのは楓だけ。

初めて彼女を抱いた夜から、俺は捕らわれていた。

気になって、愛することを知って……自分の中の優先順位がガラリと変わって、俺は自分の生き方を変えようとしている。

地位や金や自分よりも楓が大事。

だから、今回の事件で彼女を失うことの怖さを知った。

初めて知る不安を楓を抱くことでかき消す。

今、彼女は俺と共にあるんだと身体に刻みつける。

何度もーー。
< 198 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop