溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
飽くなき欲望は俺の恐れから。

そして、楓と身体を重ねながら自分に誓った。

何があっても自分の命に代えて彼女を守るとーー。

楓の寝顔を枕に片肘をついて眺めていたら、彼女が目を開けて目が合った。

「おはよう」

チュッとその赤い唇にキスをすれば、彼女は少し赤面しながらも俺の腕の包帯にそっと触れた。

「……怪我、大丈夫?」

「利き腕じゃないし大丈夫だ」

少し腕を動かしてみせれば、楓はホッとした顔になる。

「昨日ね、あの座敷童の折り鶴持ちながら、祈ったの。遥が無事でいますようにって。そのお願いきいてくれたのかな?」

クスッと笑いながら俺の目を見る彼女。

「実は俺ももうひとつの折り鶴を財布に入れてある。

楓を守ってくれたのかもしれない」

彼女とフッと笑い合う。
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