溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
大統領暗殺未遂事件から五日後、修也が一時帰国し、俺達はお好み焼き屋で食事をしている。

この店は楓の高校の卒業祝いでも来たことがあるが、水無月家の行きつけの店らしい。

「あの時は楓未成年だったけど、なんで今日もジンジャーエールなの?ビール頼めばいいのにさ」

修也の鋭い指摘に、俺と楓は顔を見合わせた。

「こいつが栄養失調で入院したから、禁止にしたんだ。飲むよりまず食べないとな」

咄嗟にそう言い繕えば、修也は「確かに楓、痩せたな」と同意する。

「こ、これでも少し戻したんだよ」

楓が慌てて反論すると、修也は少し厳しい口調で注意する。

「さらに痩せてたかと思うとゾッとするよ。遥がいなかったらもっと大変なことになってたかもしれない。次からはひとりで悩む前に必ず知らせること」

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