溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「こういうのって、男の人がやる方が美味しそうに見えるじゃない?」

「それは、楓が単に楽したい言い訳にしか聞こえないな」

修也はピシャリと言う。

「お兄ちゃん、久々に会ったのに厳しくない?」

楓がわざとらしく拗ねると、修也は茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。

「あまり甘やかすと楓がお嫁に行けなくなると思ってね。自立を促してるんだよ」

「私はお嫁になんか行かないよ」

彼女が何気なく言い放った言葉に、俺も修也も目を見開く。

俺はあえてコメントを避けたが、修也は楓にその理由を聞いた。

「どうして?子供とか欲しくないの?」

楓は顎に手を当て「うーん」と唸りながら答えた。

「お母さんが幸せそうじゃなかったから。子供は好きだけど、お兄ちゃんの子供が出来たら抱かしてもらうからいいよ」
< 204 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop