溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
2、不幸のどん底
「水無月さん、すごく申し訳ないんだが、今月末で辞めてもらいたい」
次の週の月曜日、始業後すぐに上司に呼び出された私は、その言葉に我が耳を疑った。
だって今日は新年度の初日。
プライベートのことは忘れて、仕事に没頭しようと週末心に決めたところなのに……。
遥のマンションでスマホを壊してしまったあの朝、タクシーを呼んで何とか寮に帰った。
それから自分の部屋で何度溜め息をついただろう。
どれだけ後悔しても、遥と寝た事実は変わらない。
だから、仕事に生きてあの金曜の夜に起こったことは全て忘れようと思ったんだ。
「そ、それってクビってことですか?」
声を震わせながら聞き返すと、上司はゆっくりと頷いた。
「まあそうだな。あと、今住んでる寮も今月末までに退去して欲しい。その代わり退職金を上乗せして支払うから。それに、残ってる有給も消化してくれていい」
次の週の月曜日、始業後すぐに上司に呼び出された私は、その言葉に我が耳を疑った。
だって今日は新年度の初日。
プライベートのことは忘れて、仕事に没頭しようと週末心に決めたところなのに……。
遥のマンションでスマホを壊してしまったあの朝、タクシーを呼んで何とか寮に帰った。
それから自分の部屋で何度溜め息をついただろう。
どれだけ後悔しても、遥と寝た事実は変わらない。
だから、仕事に生きてあの金曜の夜に起こったことは全て忘れようと思ったんだ。
「そ、それってクビってことですか?」
声を震わせながら聞き返すと、上司はゆっくりと頷いた。
「まあそうだな。あと、今住んでる寮も今月末までに退去して欲しい。その代わり退職金を上乗せして支払うから。それに、残ってる有給も消化してくれていい」