溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない

「珠子さんはもっと自重して下さいね。これからは腹八分目で」

珠子さんに対しては、翔太君は容赦なく注意した。

だが、彼女も負けていない。

「腹八分目ねえ。うーん、お腹の中に計量カップがあるわけじゃないし、わからないわよ。それに、料理出されたら、食べなきゃもったいないでしょう？」

珠子さんは食べ物は粗末にしてはいけないとか翔太君にクドクド言い始める。

「病気になっても知りませんよ」

そんな彼女を煩く思ったのか、翔太君は冷たく返して、ひとりカレーを食べ始めた。

珠子さんと私もナンを千切ってカレーを味わう。

でも、この店内に入った時から感じていたが、匂いが気になって食欲があまりない。

実は、昨日兄や遥とお好み焼きを食べた時もそうだった。

もう見るだけでお腹が一杯。