溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「大丈夫ですか、珠子さん?」
珠子さんの顔を覗き込むようにしてそう声をかける。
すると、彼女は持っていたビニール袋を私に「これ、楓ちゃんに」と言って手渡した。
「何ですか、これ?」
ビニール袋の中には紙袋が入っていて、パッと見て中身がわからない。
「妊娠検査薬よ」
珠子さんは私に顔を近づけ、声を潜める。
その言葉が衝撃的で何も言葉を返せなかったが、珠子さんは構わず笑顔で喋り出した。
「眠いっていうのと食欲がないっていうのでピンときたのよ。うちの子の妊娠気づいた時もカレー食べた時だしね。ああ、思い出すわあ」
彼女は『胃薬』と言っていたが、最初から私に検査薬を買うつもりでひとりでドラッグストアに向かったのだろう。
「……ありがとうございます」
それだけ言うのが精一杯だった。
珠子さんの顔を覗き込むようにしてそう声をかける。
すると、彼女は持っていたビニール袋を私に「これ、楓ちゃんに」と言って手渡した。
「何ですか、これ?」
ビニール袋の中には紙袋が入っていて、パッと見て中身がわからない。
「妊娠検査薬よ」
珠子さんは私に顔を近づけ、声を潜める。
その言葉が衝撃的で何も言葉を返せなかったが、珠子さんは構わず笑顔で喋り出した。
「眠いっていうのと食欲がないっていうのでピンときたのよ。うちの子の妊娠気づいた時もカレー食べた時だしね。ああ、思い出すわあ」
彼女は『胃薬』と言っていたが、最初から私に検査薬を買うつもりでひとりでドラッグストアに向かったのだろう。
「……ありがとうございます」
それだけ言うのが精一杯だった。