溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「あいつと付き合っているんだろう?」

兄はいきなり核心を突いてきた。

ビックリしてパッとその顔を見る。

付き合ってはいないけど、男女の関係ではある。

どうしてわかるの?

私が問い掛ける前に、兄が私の疑問に答えた。

「ふたりの様子を見ていればわかるよ。遥は昨日俺を挑発するような真似をしたしね」

兄はどこか遠くを見据え、フッと微笑した。

お兄ちゃんには隠し事はできないな。

遥が私のことをどう思っているのか、自分では本当のことはわからない。

だから、自分の彼への気持ちを兄に打ち明けた。

「私……遥に冗談っぽく『俺に絶対に惚れないこと』なんて言われたのに……私も遥みたいな女ったらしタイプじゃないとか豪語してたのに……遥のこと好きになっちゃって……」

馬鹿な私。本当に馬鹿だなあ。

何度も心の中でそう呟く。

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