溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
だが、修也は「付き合ってよ」と言って目の前にいるバーテンに声をかける。

「同じのもうひとつ」

すぐにグラスが俺の前に置かれ、それを手にすると、中に入っている液体をじっと見つめながら話を切り出した。

「修也、俺……楓と⁉︎」

「楓と何があった?楓と付き合ってるんだろう?」

修也は俺の言葉を遮り、単刀直入に聞いてくる。

「楓がそう言ったのか?」

「いや。遥を好きになったとは言ってたけどね。まあ、言われなくても、お前と楓の態度でわかるよ。お前は俺に見せつけるように楓に触れていたしね」

「楓が……俺の子を妊娠したかもしれない」

殴られる覚悟でそう告げれば、修也は顔色も変えずにグラスを揺らし、氷を鳴らして弄ぶ。

「自分の妹に対して言いたくないけど、お前がそんなヘマするなんてどうしたのかな?避妊を怠るようなお前じゃないだろ?」
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