溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
これは夢なのだろうか?

何度も目を瞬いて、遥と指輪を交互に見る。

「なんで?」

突然のプロポーズに驚いて聞き返すと、彼は悪戯っぽく目を光らせて説明する。

「強がりで、俺にはいつもたて突いて、そのくせ怖がりで、俺の裸を見てはギャーギャー騒ぐお前が好きなんだ」

その理由のどこに私を好きになる要素があるのか。

なんか……納得いかない。

いつもの調子が戻ってきてムスッとして彼に突っ込んだ。

「それって私への不満じゃないの?」

「いや、愛の告白」

遥はニヤリとすると、私の左手を取って指輪はめた。

「さすが俺。サイズもピッタリだな」

満足気に指輪を見つめる彼に、慌てて噛み付いた。

「ちょっと遥!まだ私、返事してないよ!」

「お前の目が”イエス”って言ってるから」

彼は自信たっぷりに笑う。

ああ〜、この男はどこまで俺様なのか。
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