溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
でも、それが遥な訳で、そんな彼を私は好きになった。

ひとりでいた時は空気がどんよりしていたのに、彼がいるとそのペースに巻き込まれ、気持ちがふわっと軽くなる。

まるで……太陽みたいな人。

そう。彼は私にとって唯一無二の太陽なのだ。

「何勝手な解釈してるの!この傲慢男!」

笑みを零しながらわざと上目遣いで睨み、ドンとその胸を叩いて罵れば、いきなり遥にギュッと抱き寄せられた。

「お前はもう俺のなんだよ。俺から逃げるな。心臓止まるくらい心配したんだ」

その胸に響くような熱い声を聞いて、心がジーンとなる。

「……うん。本当に私でいいの?遥ならもっと美人の女の人……んぐっ⁉︎」

“もっと美人の女の人と付き合えるはず”そう口にしようとしたら、彼の唇が降りてきて私の口を塞がれた。

その温かいキスに無条件で応える。
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