溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
3、妹同然だった彼女と ー 遥side
「修也?今大丈夫か?」

渡英している親友に夜電話をかけると、彼は俺の声を聞いてクスッと笑った。

『ああ。どうした、遥?いつもメールなのに電話してくるなんて珍しいな』

お前の大事な妹と寝た……なんて、口が裂けても言えない。

楓を抱いた次の日、俺がシャワーを浴びている間に彼女はいなくなっていた。

シャワーの後すぐに電話をかけたが、繋がらなくて……。

もちろんその後彼女から連絡なんてない。

普通の女なら後腐れがなくて、そのままにしておくのだが、楓の場合はそういうわけにはいかなかった。

彼女は親友の妹。

それ以外にも、放っておけない事情があって修也に電話してしまった。

自分でも馬鹿なことをしたと思う。

なぜ親友の妹に手を出してしまったのか。

女と寝て後悔なんかしたのは、これが初めてだ。

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