溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
だったら、今夜はそのお酒を飲んで酔ってやろうじゃないの。

飲んだ後のことなんて知らない。

「ロングアイランドアイスティーお願いします」

髪を束ねていたシュシュを取りながら頼むと、バッグがブルブルと震えた。

きっとスマホが鳴っているのだろう。

手探りでバッグを漁り、スマホを取り出すと、画面には佐倉先輩と表示されている。

先輩からの着信。

一体何を話すつもりなのか?

言い訳なんて聞きたくないし、声も聞きたくない。

スマホを操作してブチッと通話拒否。

これで、誰にも邪魔されずに酔える。

しばらくして、「どうぞ」とスライスしたレモンが添えてあるグラスが前に置かれた。

見た目はホント茶色の液体でアイスティーに見える。

グラスを手に取り、味見するように少し飲んでみた。

あれっ?

味もネーミング通り紅茶の味。

しかも、甘くて美味しい。
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