溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
女に振り回されるなんて過去にはなかった。

「女……か」

楓をじっと見つめ、苦く呟く。

俺の知らないうちにすっかり女になって、それが悔しくもあり、……嬉しくもある。

艶やかな髪、キラリと光る魅惑的な瞳、そしてふっくらとしたリンゴのように赤く色づいたその唇。

魅了されずにはいられない。

本能的に彼女を欲して、俺は自分でもあり得ない行動に出てしまった。

“魔が差した”って言葉がピッタリで……。

「悪いがもう俺からは逃げられない。覚悟しろよ、楓」

少し罪悪感を抱きながらも、今は夢の中の彼女にそう告げた。
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