溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
そして、今日の退院だって当然のように彼が迎えに来た。

いくら親友である兄に頼まれたとはいえ、なかなか出来ることではない。

「俺は修也からお前のこと頼まれてるんだよ。お前が路頭に迷われると、そっちの方がスゲー迷惑なんだけど」

遥は腕を組み、顔をしかめながら私を見据えた。

「でも……一緒に住むってのは、ちょっと。遥だって家に女の人呼びたい時もあるでしょう?」

私なりに気を使ったつもりだが、下らないとでも言うように彼は一笑する。

「俺は自分の聖域に女を呼ばない。その気があると誤解されても嫌だからな」

じゃあ、私はなんなのよ……と、突っ込みたくなったが止めた。

明らかに私の分が悪い。

兄に連絡されては困る。

「それでも遥の邪魔になるよ。一生のお願いだから、お金貸してアパートの保証人になってくれない?もう迷惑かけないし、絶対に返すから」
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