溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
遥のマンションの部屋は七LDKか八LDKといったところだろうか?

私はこんなにビンボーなのに、この人は超セレブ。

神様って不公平……とぼやきたくなるけど、遥が寝る間を惜しんで今の地位を築いたのを知っている。

親の援助なく、全部自分の力で手に入れたものだ。

そういう仕事に対する姿勢は私も尊敬している。

「ここが俺の書斎で、そっちがもう知ってると思うが俺の寝室。寂しくなったらいつでも来てもいい」と軽口を叩く遥。

彼の寝室を見て気まずくなるも、彼にからかわれ感傷に浸る間もない。

「寂しくなんかなりません!」

ツンケンして言えば、遥はクスッと笑った。

「そんな意地張らなくていいのにな」

……その口にガムテープ貼ってやりたい。

拳を握って怒りを抑えていたら、次はキッチンとリビングに案内された。

「キッチンにあるものは自由に使っていい。あと、月曜と木曜に家政婦が来るから」
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