溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
それって家政婦って名の愛人?

そんなことを考えていたら、私の顔を見て思考を読んだのか、彼はその家政婦について付け加える。

「言っておくが、五十代のおばさんだ」

「おばさんねえ」

遥の言葉が信じられず疑いの眼差しを向けると、彼はシニカルな笑いを浮かべた。

「以前若い女が派遣されて来たんだが、何を勘違いしたのか、俺のベッドで裸で待っていてな。気持ち悪いからすぐに追い出して、ベッドも新しいのに買い替えた。それからはおばさんしか雇わないことにしている」

その話にぞわぞわと鳥肌が立った。

「それはご愁傷様です」

何の感情も込めずにそう声をかける。

多くの女のターゲットにされる男。

イケメンも大変なんですね。

じーっと遥を見ていたら、彼と目が合った。

「お前、人の不幸を笑ってるだろ?」

不満そうな顔の遥に、首を左右に振って否定する。

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