溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
じっとりと遥を見て文句を言うと、彼は急に表情を変えた。

「大人扱いしろって?」

キラリと妖しく光るその目。

「い……いや、子供扱いでいいです」

何か危険を察して後ずさるも、遥に易々と捕らわれた。

そして、なぜかクルッと反転させられ、彼に背後から抱き締められる。

「ちょ……遥、何すんの!」

抵抗するが、力では彼に勝てない。

そんな私を嘲笑うかのように、彼は我が物顔で私の胸に触れてくる。

「俺が抱いた時はもっと胸あったのにな」

至極残念そうに呟く遥。

「もっと太れよ。抱き心地が悪くなる」

「そんな大人扱いいりません!」

身体を震わせながら怒ると、遥は意外にもすんなりと私を解放した。

「なんだ。俺にまた抱かれたいのかと思った」

彼は悪びれた様子もなく、あのことに触れてくる。
< 68 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop