溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
「ひとりで飲んで何が悪いの!もう二十歳をとっくに過ぎたし、文句を言われる筋合いはないわよ!」

キッと相手を睨みつけて、いつものように噛み付く。

厄介な人間に会ってしまった。

彼は兄の親友で成瀬遥、三十二歳、独身。

百八十五センチの長身、ゆるくカールしたダークブラウンの髪に、イケメン俳優顔負けの彫りの深い端整な顔立ち。

着ているスーツは一目でオーダーメイドとわかるものだし、腕時計は何百万もするブランドもの。

セクシーで洗練された大人という言葉がぴったりのその出で立ち。

父親は現職の国会議員。でも政治家にはならず、彼は大学生の時に起業した会社を経営している。

まあ、王子様みたいなキラキラした容姿をしていて、頭も良くて有能で、神から愛されてる……そう思えるようなオーラを持っている人。

お兄ちゃんの方がクールでカッコイイし、こいつの性格は難ありだけどね。

俺様で顔を合わせる度に私に絡んでくるのだ。
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