溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
褒めてやると、楓は嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとう」

そんな顔をされたら、自販機ごと買ってやりたくなる。

すごく飲みたくて仕方がなかったのか、嬉々とした顔でキャップを開けて、ゴクゴクッとコーラを口にした。

「美味しい!」

「昔はお前炭酸苦手だったのになあ。俺も一口」

そう言って彼女の手からボトルを奪い、喉を潤す。

「確かに風呂上がりにはいいな」

ニヤリとすれば、楓は呆気に取られた顔で俺をじっと見ていた。

「飲みたいなら自分の分も買えばいいのに」

「一本飲んだら夕食を美味しく食べられなくなるだろ。お前もほどほどにしておけよ」

「そっか。夕食があったね。部屋出しでしょう?何が出てくるんだろうね。楽しみ」

「川魚とか肉じゃないか」

「今日遥が釣ったあの大きい魚釣ったら何人前になったかなあ」

楓の無邪気な発言に、つい頰が緩む。
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