わたしと専務のナイショの話
 いや~、永井さんはあれはあれでいろいろ考えてますよ、と思いながら、

「自分が専務のこと、好きかどうかもよくわからないんですよね。
 好きとか思う前に、ガンガン話が進んでっちゃって。

 なんだか自信がないんです」
と言うと、

「じゃあ、付き合うのやめたらどうだ」
とあっさり言われてしまったが。

 でも、とのぞみは赤くなる。
「でも、もう」

 もう? と促され、

「専務とキスとかしてしまいましたし」
と酔った弾みで言ってしまった。

「そんなおおごとみたいに」
と祐人は、ふっと笑う。

「キスなんて、たいしたもんじゃないぞ」

 こうだろ、と言った祐人に壁に押し付けられ、口を塞がれる。

 ひーっ。

< 249 / 472 >

この作品をシェア

pagetop