わたしと専務のナイショの話
強引な専務と悪魔な先輩
 



『無事に帰ったか?』

 ……無事ではないです。

 ベッドに腰掛け、京平からのメールを見ながらのぞみは思う。

 嘘のつけないのぞみは、
『帰りました。
 今、家です』
とだけ入れる。

『そうか、おやすみ』

 短いよっ。
 いや、私もなんだが。

『おやすみなさい』
と入れて、迷う。

 ハートマークを打ってみた。

 贖罪を兼ねて。

 返事はなかった。

 ……寝たのか?

 それとも、ハートマークとか入れて、こいつ、俺にメロメロなんじゃないか、とか調子に乗っているのか?

 うむ、と悩みながら、のぞみは目を閉じた。



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