世界で一番優しい嘘〜短編集〜
私たちはすぐに仲睦まじくなった。
私が仲良くなるために時間は必要無かった。
「ミサトはずっとここ育ち?」
「・・・えぇ、そうよ
美嘉は?ここではないの?」
「私は前はここら辺に住んでたの。
親が離婚したから、私は親戚に引き取られたけど。
・・・妹がいたの」
ミサトはただ、黙って私の話を聞いていた。
そう、カオル君のように。
「名前はもうわからない。
私が5歳で、多分妹は2歳くらいだったと思う。
どこにいるのかもわからないけど・・・妹は妹だけは、母さんが引き取った。
私は親戚だった。
だから少し妬んでる部分もあるんだと思う。
私って性格悪いね」
ミサトは黙って笑った。
その顔を見て、私は安心していた。
ああ、私は大丈夫だって。
「美嘉。
君は大丈夫だよ、私がついてるから」
「ミサト・・・」
なんだかとても不思議な感じがする。
「不思議だよね、ミサトって。
最近会ったばかりなのに、まるでずっと昔から一緒に居たみたい。
ミサトがいてくれて良かった。」
するとミサトはやっぱり笑った。
けれど、
どこか、悲しそうに笑っていた。