世界で一番優しい嘘〜短編集〜
タカラサガシ
*❀٭
『タカラサガシ・・・ですか?』
『うん。
りりちゃんは宝探し好き?』
好きか嫌いかと聞かれば、好き・・・なのでしょうか。
そもそも普段から私は宝探しなんてらしません。
『・・・得意?』
え、得意・・・?って。
私は高校生ですよ?お父さん。
そんな遊びはしません。
『得意・・・ではないと思いますが、宝探しがしたいんですか?
お父さん、良かったら私一緒にやりますよ』
『わぁ、ほんと?
ありがりりちゃ〜ん』
このなんにも考えてなさそうなのんびりとした人は私のお父さん。
黒髪に美白・・・、女の子たちの理想を生まれもっている男性。
『僕、最近具合が落ち着いてたから・・・、少し手紙を書いてみたんだよ
だからね、それを探してもらおうと思って』
『・・・探す・・・、私一人ですか?』
『え、うんそうだよ』
それは・・・不安ですね。
『りりちゃん』
『はい?』
お父さんは座っているだけなのに、少し辛いのか、少し青白い顔をして、私に笑いかける。
『宝探し・・・、ヒントだよ
僕が死んだら・・・ミリヤに・・・手紙をもらって
そこにヒントがあるから。
それを見ながら、すれば・・・宝探し、見つかるよ
僕の大切な娘、リリアーーー
どうか、いつまでも幸せに』
*❀٭
それが最後の力だったのか。
私へのメッセージを残し、父はそれから一週間後に亡くなりました。