キミのことが大好きだけど
友達
朝のホームルームが終わって、1限目。
授業は聞かなきゃ分からなくなるから、真面目に聞くように努力はしている方。
時々眠たくなるんだけどそこは我慢。
「なあ、俺、筆箱忘れた…。」
誰かがそんなことを言ってるみたいだけど、私には関係ないだろう…。
なんて思ってると、肩をトントンたたかれた。
「…ねぇ、筆箱忘れたからさ、貸してくんない?」
「…へ?」
いきなりそんなことを言われたから間抜けな声が出た。
「…ふ、筆箱…?」
「そ。筆箱。」
だから貸して?と言われ私は使ってないペンを貸す。
「ありがと!有本さん!」
ニカッと笑うその顔は無邪気で、可愛いと思ってしまった。
「…え?なんで名前知ってるの?」
「知ってるよ?だって、席隣だし。」
……ごめんなさい。私は君の名前わかりません…!
なんて心の中で思ってると「あ、俺の名前知らない?」と痛いところを突かれた。