キミのことが大好きだけど
英語は今日は問題をひたすら解くだけだったから、先生はいない。




誰も話さず黙々としてるのが変な感じ。




コンコン




「…ん?」





河野くんが、私の机を指で叩いて自分のノートを指す。






“有本さん、部活してるの?”




……暇なのかな。河野くんは。




どうでもいい私の情報知っても得なんてしないのに…




無視するわけにもいかないから私はその質問の答えをノートに書く。




“ううん。してないよ”




“そうなんだ。なんか、美術部とか入ってそう”




“あ、中学の時入ってたよ”




“まじで?当たった笑”




隣を見ると笑いながら小さくガッツポーズしている河野くん。




そんな河野くんが面白くて小さく笑ってると、またなにか書かれた。






“ねえ、いっこお願い言ってもいい?”




“ん?何?”




私にお願いなんてあるのかな…?




河野くんの返事を待ってると、予想してなかった答えが返ってきた。




“あのさ、友達になってほしい。”




友達…




“私と友達になってもいいことないよ?”




別に私は面白いわけでも、可愛いわけでもない。




得はしないのに…




“いいことあるよ?だって有本さん気になるもん。”




“気になる…?”




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