キミのことが大好きだけど
駅まで数十分かかるから、私たちはどうでもいい話をする。




勉強のこと、部活のこと…沢山。




私は駅から電車に乗って少し遠い高校に行く。




ちなみに部活はしていない。




瞬は、駅から歩いて5分ほどの高校。




………穂香も、受けようとしてた高校に、私は行けなかった。




きっとあの高校に行ってたら、私は私じゃなくなる気がする。




瞬は、私が違う高校を受けるって言った時はすごくびっくりしてた。




『もう、私は決めたの。』って答えたら




『じゃあ、せめて駅まで一緒に行こ。絶対に。』




って言われたのが始まり。




何を思ってそんなこと言ったのか聞いたらきっと「気まぐれ」なんて言うんだろうなあ。









「じゃあ、今日部活あって遅くなるから、遥香先に帰ってて。」




「……うん、またね、」




私たちは、別の道を歩く。




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