彼の隣で乾杯を
いやいやいやいや、そんなこと言えないって。
そんなキャラじゃないって。
「ほらほら、言ってみろよ」
「いや、言わないよね、フツーこんな飛行機の中で」
「ラッキーなことに前後左右誰もいないんだから大丈夫だって」
確かに今日のビジネスクラスは空いていた。こんなの初めて。
でも「ムリ」
「何だよ、由衣子のケチ」
「ケチじゃないでしょ」
「・・・用があってもなくても連絡してこいよ」
「うん」
「お互い連絡取りにくい仕事だけど、メールならいつでもできるだろ」
「うん」
「なるべく早く戻るから」
「うん」
「エディージオとかイケメンに誘われてもついていくなよ」
「うん」
「わかってんのか、さっきからうんうんって」
「うん・・・」
「・・・由衣子、泣くな」
もう声が出せなくなった。俯いて必死に唇をかんで涙をこらえる。
「泣くほど淋しいならそう言えよな」
「だってそんなに長く会えないのかなって」
「いくらなんでもどっかの日曜とかで会えるだろ。何とかするからあんま心配すんな」
「うん」
私たちはつないだ手に力を込めた。
そんなキャラじゃないって。
「ほらほら、言ってみろよ」
「いや、言わないよね、フツーこんな飛行機の中で」
「ラッキーなことに前後左右誰もいないんだから大丈夫だって」
確かに今日のビジネスクラスは空いていた。こんなの初めて。
でも「ムリ」
「何だよ、由衣子のケチ」
「ケチじゃないでしょ」
「・・・用があってもなくても連絡してこいよ」
「うん」
「お互い連絡取りにくい仕事だけど、メールならいつでもできるだろ」
「うん」
「なるべく早く戻るから」
「うん」
「エディージオとかイケメンに誘われてもついていくなよ」
「うん」
「わかってんのか、さっきからうんうんって」
「うん・・・」
「・・・由衣子、泣くな」
もう声が出せなくなった。俯いて必死に唇をかんで涙をこらえる。
「泣くほど淋しいならそう言えよな」
「だってそんなに長く会えないのかなって」
「いくらなんでもどっかの日曜とかで会えるだろ。何とかするからあんま心配すんな」
「うん」
私たちはつないだ手に力を込めた。