彼の隣で乾杯を
18時を過ぎた辺りで再び高橋からメールが来た。
「本日の業務終了。由衣子が終わったら電話して」
え?早くない?
ちょうど休憩しようと思っていたタイミングだったからスマホを持ってレストコーナーに向かう。
2コールで高橋は電話に出た。
「お、早いな。由衣子はまだ仕事終わってないだろ?大丈夫か?」
「うん、ちょっと休憩。それよりもーーー」
「ああ、谷口な。やっぱりここにいた。会社に着いた途端エントランスで康史さんに拉致られて。あれ、あの様子だとこっちの会社にもタヌキの手が回ってたな」
「やっぱりね」
「午後の仕事には二人とも参加してたし、さっき仕事が終わってまた二人で出て行ったよ。谷口の表情を見る限り大丈夫そうだ。俺にも心配かけてごめんって言ってた。
それにしても、由衣子に見せたかったよ。会社のエントランスで康史さんに担ぎ上げられて焦ったんだろうけど、康史さんの背中をぼこぼこに殴る谷口の姿。ああ傑作だ」
高橋は大笑いしていた。
担ぎ上げられたっていうのがアレだけど、フフフ。
あのイケメン副社長、早希に殴られたんだ。
ざまーみろ。