彼の隣で乾杯を
「海外事業部の薔薇の花」などと呼ばれているけれど、私の評判は決して良いものばかリじゃない。
寝て仕事をとる女だと噂されていることも知っている。
それが事実か事実でないかという事よりも、そんな噂をされる女が御曹司である高橋の彼女であってはいけないんじゃないかと思うのだ。

遠くない将来、高橋は自分の親の経営するTHコーポレーションに戻り自らも経営サイドにまわることになるだろう。
そうなったら、私はどうなるのだろう。
高橋はどうするつもりだろう。
「連れて行って」なんて図々しいことが言えるだろうか。
高橋は黙って去っていくようなずるい男じゃないことだけはわかっているけど。

ふうっと大きく息を吐いてパチンと両頬を叩いた。
今、そんなことを悩んでも仕方ない。
とにかく任された仕事を片付けて自分の責任を果たそう。


私はパソコン画面を見つめた。


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