彼の隣で乾杯を
ーーー遅い。
簡単なメイクって言ったくせに遅すぎる。
早希のいる洗面所に向かう。扉を開けると早希はスマホ片手に電話中のようだった。
ん?
洗面所の中にいる早希の姿を見て固まった。
「な、なんで着替えまでしてるのよ」
来た時と同じワンピースにストッキングまで。
しかもフルメイク。
対する私は温泉の浴衣に形ばかりの薄化粧。
「---高級旅館だと食事でもそこまでしなくちゃいけないの??」
頭の中にはてなマークが山ほど浮かぶ。
私が入ってきたことに気が付いた早希が私を見てニコリと微笑んで電話の向こうに「うん。タイミングばっちりよ」と告げて電話を切った。
何がばっちりなんだ。
もはや理解不能。
どういう事なのかと口を開こうとすると、扉の向こうから「谷口様」と仲居さんの声がかかった。
私のことを鮮やかにスルーして「はぁい」と明るい声を出し、早希は洗面所から出て行ってしまう。
仕方ないので後に続くと、仲居さんから「お連れ様がお着きになりました」とさらに謎の言葉が。
簡単なメイクって言ったくせに遅すぎる。
早希のいる洗面所に向かう。扉を開けると早希はスマホ片手に電話中のようだった。
ん?
洗面所の中にいる早希の姿を見て固まった。
「な、なんで着替えまでしてるのよ」
来た時と同じワンピースにストッキングまで。
しかもフルメイク。
対する私は温泉の浴衣に形ばかりの薄化粧。
「---高級旅館だと食事でもそこまでしなくちゃいけないの??」
頭の中にはてなマークが山ほど浮かぶ。
私が入ってきたことに気が付いた早希が私を見てニコリと微笑んで電話の向こうに「うん。タイミングばっちりよ」と告げて電話を切った。
何がばっちりなんだ。
もはや理解不能。
どういう事なのかと口を開こうとすると、扉の向こうから「谷口様」と仲居さんの声がかかった。
私のことを鮮やかにスルーして「はぁい」と明るい声を出し、早希は洗面所から出て行ってしまう。
仕方ないので後に続くと、仲居さんから「お連れ様がお着きになりました」とさらに謎の言葉が。