彼の隣で乾杯を
主任の真実
*******
はあ。
それにしても疲れた。
イタリア出張三日目。
私はホテルのBARに1人でいた。
二杯目のギムレットに口をつけると、身体がじんわりと温かくなってくる。
身体よりも心の方が疲れていた。
一昨日、レオナルド・ダ・ヴィンチ空港に到着すると、そこにはなぜかキラキラした笑顔のエディージオと秘書のニコラスが待っていた。
イケメン外国人だとは思っていたけど、こうして周りがイタリア人だらけという日本とは違う環境で彼を見ても、やはりエディーは王子様のようなオーラをまとったイケメン男性だった。
「やあ、ユイコ。わが街ローマにようこそ」
両手を広げてまばゆいばかりの光のオーラを背負って近付いてくるエディー。
ああ、その笑顔が長時間移動してきて疲れている私の目に眩しい。
眩しすぎる。
それは隣にいる小林主任にも同様だったらしい。
「これが噂のアンドレテ社の御曹司様か。映画スターだって言っても疑わないだろうな」とこっそり小声で私に呟いてきた。
私もため息交じりに頷いたのだった。
彼がキラキラしながら私の目の前まで来たところで
「エディー、どうしてここにいるの」と両手を腰に当てて不満を表した。
「僕のお姫様がはるばる日本からやってくるって聞いてお出迎えしてるんだけど。気に入らなかったかい?」
「気に入らなかったも何も。本当なら今、あなたはまだ日本にいるはずでしょ?」
「ああ。あと一週間は東京で仕事をするつもりだったけどね、ユイコが我がイタリアに来るっていうのになぜ僕が東京にいないといけないんだい?」
「それがあなたの仕事だからでしょ」
「いや、僕は常にユイコが最優先だよ。だから、今ここでこうしてユイコを出迎えた」
私は大きくため息をついた。
「アンドレテ社の将来が心配になってきたわ。どうしてニコラスも止めなかったの?」
はあ。
それにしても疲れた。
イタリア出張三日目。
私はホテルのBARに1人でいた。
二杯目のギムレットに口をつけると、身体がじんわりと温かくなってくる。
身体よりも心の方が疲れていた。
一昨日、レオナルド・ダ・ヴィンチ空港に到着すると、そこにはなぜかキラキラした笑顔のエディージオと秘書のニコラスが待っていた。
イケメン外国人だとは思っていたけど、こうして周りがイタリア人だらけという日本とは違う環境で彼を見ても、やはりエディーは王子様のようなオーラをまとったイケメン男性だった。
「やあ、ユイコ。わが街ローマにようこそ」
両手を広げてまばゆいばかりの光のオーラを背負って近付いてくるエディー。
ああ、その笑顔が長時間移動してきて疲れている私の目に眩しい。
眩しすぎる。
それは隣にいる小林主任にも同様だったらしい。
「これが噂のアンドレテ社の御曹司様か。映画スターだって言っても疑わないだろうな」とこっそり小声で私に呟いてきた。
私もため息交じりに頷いたのだった。
彼がキラキラしながら私の目の前まで来たところで
「エディー、どうしてここにいるの」と両手を腰に当てて不満を表した。
「僕のお姫様がはるばる日本からやってくるって聞いてお出迎えしてるんだけど。気に入らなかったかい?」
「気に入らなかったも何も。本当なら今、あなたはまだ日本にいるはずでしょ?」
「ああ。あと一週間は東京で仕事をするつもりだったけどね、ユイコが我がイタリアに来るっていうのになぜ僕が東京にいないといけないんだい?」
「それがあなたの仕事だからでしょ」
「いや、僕は常にユイコが最優先だよ。だから、今ここでこうしてユイコを出迎えた」
私は大きくため息をついた。
「アンドレテ社の将来が心配になってきたわ。どうしてニコラスも止めなかったの?」