彼の隣で乾杯を
でも、私がそう言って副社長と話をするように話をした翌日の夜、早希は姿を消してしまったのだ。
原因は副社長で間違いないけれど、きっかけは・・・私が話をするように言ったせい。
そしてーーー
副社長はオフィスの私の席に一直線に向かってきたというわけだ。
大物の登場にオフィスはざわめき社員の目は釘付け。
しかし副社長は周囲の様子だけでなく仕事で電話中の私の都合など全く気にもせず、私の目の前に現れて「早希の居場所を知らないか」と言ったのだ。
今日の夕方、早希が副社長室を飛び出して以来どこに行ったのかわからないのだという。
心の中で悲鳴をあげ、すぐさま早希に連絡をするためにスマホに手を伸ばした。
呼び出し音さえ鳴らず、電話はつながらない。
これは電源が落とされている。
震えだす手で何度もスマホをタップする。メールもメッセージも送ってみる。
胸の鼓動が早くなり、吐き気を催しそうだ。
手が震え、どんどん気分が悪くなっていく。
「一体何があったんですか。いえ、そうじゃなくて何てことしてくれたんですかっ!傷つけないって言ったくせに!」
気が付くと返信のないスマホを握りしめて副社長相手に怒鳴っていた。
雲の上の存在である副社長が私に何やら頼み込んでいる姿と彼を怒鳴りつける私の姿を見た社員たちはざわめいているが知ったことではない。
私に怒鳴られた副社長は怒りもせず悲しそうに「佐本さんでも知らないのか・・・」と呟いた。
原因は副社長で間違いないけれど、きっかけは・・・私が話をするように言ったせい。
そしてーーー
副社長はオフィスの私の席に一直線に向かってきたというわけだ。
大物の登場にオフィスはざわめき社員の目は釘付け。
しかし副社長は周囲の様子だけでなく仕事で電話中の私の都合など全く気にもせず、私の目の前に現れて「早希の居場所を知らないか」と言ったのだ。
今日の夕方、早希が副社長室を飛び出して以来どこに行ったのかわからないのだという。
心の中で悲鳴をあげ、すぐさま早希に連絡をするためにスマホに手を伸ばした。
呼び出し音さえ鳴らず、電話はつながらない。
これは電源が落とされている。
震えだす手で何度もスマホをタップする。メールもメッセージも送ってみる。
胸の鼓動が早くなり、吐き気を催しそうだ。
手が震え、どんどん気分が悪くなっていく。
「一体何があったんですか。いえ、そうじゃなくて何てことしてくれたんですかっ!傷つけないって言ったくせに!」
気が付くと返信のないスマホを握りしめて副社長相手に怒鳴っていた。
雲の上の存在である副社長が私に何やら頼み込んでいる姿と彼を怒鳴りつける私の姿を見た社員たちはざわめいているが知ったことではない。
私に怒鳴られた副社長は怒りもせず悲しそうに「佐本さんでも知らないのか・・・」と呟いた。