モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
順調に進んでいく会食。

美味しそうな料理が並んでいるが、パクパクと口に運ぶ訳にはいかない。

会話に相打ちし、笑みを絶やさない。

驚いたのは剛だ。

普段とは別人になりきっている。


「滅相もございません。」

「いえいえ、まだまだ未熟者です。」


あの剛の発言とは思えない。

剛の猫被りに……クスリと笑いそうになるがグッと堪える。

会社の為にグッと我慢だ。


「それにしても……斉藤さんはいつお会いしてもお綺麗ですね。」

「恐れ入ります。」


秘書の私にまでお世辞を言ってくださるのは会食相手の社長だ。

ハルナの社長とは昔からの仕事仲間で懇意にしている会社だ。

その社長の視線が私で止まったままだ。

不思議に思い、笑みを浮かべて口を開いた。


「高井戸社長、どうかされましたか?」

「斉藤さんは独身かな?」

「はい、そうですが。」


突然の話に驚きつつも答えた。

何故に独身とか?

クエスチョンだけが浮かんで仕方ない。
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