モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
剛が車で送ってくれた。


「本当にありがとう。」

「いや。あっ、そういえば高井戸専務と食事に行くのか?」


デジャヴのような会話だ。

昨日も榛名取締役とそんな会話をしたような。


「社交辞令よ。本気で誘われないって。」

「行くなよ。」

「…………剛、どうしたのよ。変じゃない?」

「別に。兄貴とも2人で食事に行くなよ。」

「本当に変だよ。取締役も本気じゃないよ。今日はありがとうね、剛。」


車から離れようとしたが…………

背後でドアの開く音が聞こえて振り返った。


「悠菜。」

「何?」


目の前に立つ剛を見上げる。


「兄貴にバラされたくないよな?」

「…………何を?」


目の前に立つ剛の顔は真剣だ。

いつものイジワルな雰囲気でも、チャラい雰囲気もない。

真剣な顔を見せる剛に自然と眉間に皺が寄るのが分かる。


「俺たちの関係をバラされたくないよな?」

「俺たちの関係?」


自分の表情がドンドンと変わっていく。

ニヤリとする剛の表情が視界に入ってきた。
< 28 / 76 >

この作品をシェア

pagetop