モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
イジワルに口元を弛めた剛に、ムスッとしていく自分がいた。


「悠菜、俺との関係をバラされたくないよな?」

「…………。」

「兄貴には知られたくないよな?」

「関係?友達ってだけでしょ。」

「悠菜は知らないか。」


明らかに楽しそうな表情に変わっていくのが映り込んでくる。


「男の部屋に泊まるような女を彼女にはしない。」

「私なんて……取締役の彼女になんてなれないわよ。」

「まあ『なれない』な。俺の部屋で一晩一緒に寝る女とは付き合わないだろ。」

「…………私はただの秘書よ。」

「ふっ、そうだな。」


楽しそうな笑みを浮かべた剛に背を向けた。

取締役の彼女?

最初から仮定は成り立たない。

取締役にとっての私は仕事相手の一人ってだけなんだから。


「悠菜、またな。」

「うん、今日はありがとう。」


そのままマンションに入っていった。

一度も振り返らない。

今のイジワルな剛は見たくないから。
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