モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
近くにあるイタリアンレストランに入ることにした。

窓際の席に案内された私達は向き合って座った。


「遠慮しないで下さいね。」

「高井戸専務、お言葉に甘えてご馳走になります。」

「どうぞ遠慮なく。」


女性に対してのエスコートも上手だし、気遣いも凄く出来る人だ。

ただ強引過ぎる部分はあるが。

ランチを注文すると私は口を開いた。


「高井戸専務、食事の件は気になさらないで下さい。」


モテそうな高井戸専務だから誤解したのかも。

私が『どうしても食事に行きたい』と勘違いをさせたのかもしれない。


「俺が親父に頼んだんだ。金曜に斉藤さんと会うと聞いたから。」

「えっ?」

「ずっと綺麗な方だと見てました。一度機会があれば食事に誘いたいと。」

「あっ、ありがとうございます。」


『綺麗な方』だと面と向かって言われると照れてしまう。

況してや真面目な顔で言われれば照れる。

いつも榛名取締役は挨拶のように口にするだけだし、取引先の方も社交辞令だと思う。

なんか真面目に面と向かって言われると照れてしまう。
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